この店の強みはなに?

この店の強みはなに?

2016/05/20

 今や4つの店舗を運営するヨシコ・キッチン。しかし、全ての店舗が黒字というわけではありません。

  

 以前から赤字続きのレストランC店。 ヨシコ社長と友人の公認会計士がお客に扮して覆面調査をしています。入店して、ちょうど生ビールを注文したところ。さて、食事は何にしようかな、とメニューを開いた2人。

 

 

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大手チェーンを真似た店づくりに問題が?

 

 レストランに限らず、居酒屋、焼肉店など、いろいろな飲食店には必ず競合店があります。近隣に同じ業態の店舗があり、競争状態にあるのがふつうです。

 

 そして、競合店のなかでも、ひときわ手ごわく見えるのが大手チェーン店です。

 

 レストラン業態であれば、ロイヤルホスト、ガスト、ジョイフル、ココス、デニーズなど、大手チェーン店がひしめいています。きれいな店内設備、きれいな制服、それなりに教育された従業員、きれいなメニュー、手頃な価格。街中のレストランと比べると、どれも魅力的に映ります。

 

 ヨシコ・キッチンの塩田店長も大手チェーンのレストランに憧れているようで、店づくりもメニュー作りも大手チェーン店を意識したものになっています。

 

 

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自店の強みは何なのか? 差別化を図る

 

 大手チェーンは、その名の通り、大きいです。例えばロイヤルホストの年間の売上は約400億円です(2015年12月期)。そして、これだけの売上高に対応するだけの、仕入、店舗の新設・改修が行われます。それだけ仕入単価は下がりますし、設備も安く設置・改修することができるでしょう。信用力が高いですから、正社員の採用もバイトの採用も、やりやすいでしょう。

 

 ですから、ヨシコ・キッチンのような小規模なところは、大手チェーンと同じような店の作り、メニューを用意しても、勝てっこないのです。

 

 大手チェーンと戦うためには、大手チェーンが絶対できないことをして、差別化することが必要です。大手チェーンが絶対できない店づくりをすることで、大手チェーンとの競合が起きないようにする、と言う方がよいかもしれません。

 

 大手チェーンにできないこと、大手チェーンがやっていないこと、っていったい何でしょう?

 

 やはり大きいのは、顔の見える店長でしょう。

 

 よく行くファミレスの店長の顔や名前が思い浮かびますか?思い浮かびませんよね。ファミレスに行くと、商品は手頃な価格で美味しく、従業員はよく教育されていますが、店長の顔が見えません。

 大手チェーン店の店長は異動により変わります。店長ではなく、ファミレスの「ブランド」を看板に商売をしているわけです。 大手チェーンは、店長の顔が見えないのです。

 

 ならば街のレストランは、店長の顔が見える店づくりをすることで、大手チェーンとの違いを出すことができます。店長でなくてシェフでもいいでしょう。顔の見える店長、顔の見えるシェフが、おいしいメニューを考えて、調理してくれる。それが差別化になります。

 

 ヨシコ・キッチン社のレストランC店は、大手チェーンの真似をした戦略ですから、勝てっこありません。業績不振は起こるべくして起こっています。

 

 ヨシコ社長はC店をどうしていくのでしょうか。次回は6月20日頃アップ予定です。

 

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