経営不振のヨシコ・キッチンを救え!~店舗別損益計算はなぜ必要か?~

経営不振のヨシコ・キッチンを救え!~店舗別損益計算はなぜ必要か?~

2015/01/09

 みなさん、こんにちは。公認会計士の日根野健です。

 

 日根野公認会計士事務所では、いろいろな業種のお客様に、それぞれの業種に対応したサービスを提供しています。このコラムでは、その中でも、特に飲食店の方に向けたサービスでチェックしているポイントについて紹介していきたいと思います。

 

 それでは、3つの飲食店を経営する株式会社ヨシコ・キッチンの経営分析と経営改善を通して、儲かる飲食店の経営方法について考えていきましょう!

 

3つの飲食店を経営するヨシコ・キッチン

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 株式会社ヨシコ・キッチンを経営するヨシコ社長(43歳、女性)。

 大阪市内で3つの飲食店を経営しています。

 居酒屋、焼肉屋、レストラン。それぞれ異なる業態です。

 

 

ヨシコ社長の悩み s1

 1店舗だけの経営から、多店舗展開するようになると、途端に経営が難しくなります。なぜなら、1店舗のときにくらべて、社長がすべてを把握することができなくなるからです。うまく行っている店、そうでもない店、それぞれ状態が違いますが、その状態を的確かつタイムリーに把握するのが難しくなるのです。

 

 会社全体としては、黒字なのだけれど、店舗別に見ると、案外儲かっていない店舗があり、そこで予想以上に資金を使ってしまっていて、知らないうちに資金繰りが苦しくなっている、というのはよくある話です。

 

 多店舗展開している飲食店に必要不可欠なのが、店舗別損益の把握なのです。

 

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店長との業績共有と退店の意思決定に使う

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 本当にそうでしょうか?

 店舗別損益を把握する、最も大切な目的は2つです。

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目的1.店長と業績を共有すること

 多店舗展開すると各店舗に店長(もしくはそれに準ずる責任者)を置くことになります。店長には、「無駄な経費は節約して!」「アルバイトは極力入れずに人件費を抑制してね。」と指示は出すものの、あいまいな指示では、店長も困りますし、社長の立場から客観的に店長を評価することもできません。

 

 そこで、店舗別損益を毎月算出し、毎月店長にフィードバックするのです。

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 店舗別損益を把握し、これを店長と共有することで、店長に自ら考えさせ、利益を上げるための工夫をさせることができるのです。

 

目的2.退店の意思決定を行うこと

 社長にとって、「退店」というのは、とても嫌なことです。出店するときは、繁盛店を夢見ていたのに、現実は裏腹に赤字店舗になってしまう、のですから、つらいことです。しかし、多店舗展開していくならば、ときには退店を行うことも避けては通れません。

 

 それでは、どのようなときに退店し、どのようなときには店の立て直しのための努力をすればよいのでしょうか。

 

 店舗スタッフの構成や、会社全体の経営状態・目標などにもよるので、一律に判断することはできませんが、ひとつの目安は、やはり店舗別損益を算出したときに赤字である、ということです。(実際には、店舗別の損益といっても、償却前営業利益、営業利益、共通費負担後営業利益など、いくつかの種類の利益があるのですが、これについては別の機会に取り上げたいと思います。)

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 数字を目の前に突き付けられると、社長は現実と向き合わざるをえません。店舗別損益を算出せずにいると、「どうにかなるさ」と現実から目を背けてしまうこともあります。人間だから仕方ありません。嫌なことからは目を背けたいのです。

 でも、だからこそ、店舗別損益と毎月向き合うことが必要なのです。(次回に続く)

 

第2回のテーマは「店舗別損益計算のチェックポイントとは?」です。2月下旬にアップ予定!

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