普段使いは小商圏、特別使いは大商圏

普段使いは小商圏、特別使いは大商圏

2016/01/20

 新店舗の出店を決めたヨシコ社長ですが、それにあたって、自分の足で商圏を調査しました。

 この商圏について、もう少し一般化して考えてみましょう。

 

普段使いは小商圏

 

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 ヨシコ社長が今回出店を決めた居酒屋業態。居酒屋業態は一般に商圏の狭い業態です。なぜなら、居酒屋は需要が多いがゆえに(居酒屋に行きたいという人がとても多いがゆえに)日本全国津々浦々に居酒屋があるからです。

 

 ですから、例えば、大阪に住んでいる人が、わざわざ京都の居酒屋に行こうとは、まず思いません。よほどの名物店でない限り、仕事帰りに一杯できるような、近所の居酒屋を選びます。

 したがって、小商圏の店を開くときには、立地がとても大切です。

 

 また、小商圏の店は普段使いされますから、客単価は比較的安め。その代わり、来店頻度が高くなるのが理想です。居酒屋の他には、レストラン、回転ずしなども基本的に小商圏の業態といえます。

 

 

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特別なとき使いは大商圏

 

 大商圏の店は、例えばミシュランの星がつくような店です。そのような店ともなれば、テレビ、雑誌などに掲載され、日本中の人が店のことを知ります。

 

 また、ミシュランでなくとも、食べログなどで第三者に高い格付けをされている店は、「少し遠方であっても、わざわざ出向いて食べてみたい」と思われます。ですから、自然と商圏は広くなります。また、客単価は高い店が多くなります。ただし、頻繁にリピートしてもらうのは難しくなります。

 

 大商圏の店を出すには、有名シェフが居たり、芸能人が監修していたり、よほど特別な業態であったりしなければ、まず難しいです。ですから、一般的なオーナーは、小商圏の店づくりを目指すことになります。

 

 

出店するときは商圏の見極めが大切

 

 新しい店を出店するときは、商圏の見極めが大切です。

 

 特にオーナーは新しく出店する店に(良い意味で)いろいろなこだわりがあり、同業態の他の店とは全く違うコンセプトの店だと思いがちです。しかし、顧客目線で見ると、他の同業態の店とほとんど違いが分からないということがあります。

 

 また、確かに他の同業態の店との違いはあるものの、わざわざ遠方から来店してくれるほどの付加価値を感じてもらえるような違いかどうかも慎重に判断しなければなりません。 

 例えば名物メニューが1つあるくらいでは大商圏の店になるのは難しいでしょう。名物メニューがあるうえで、さらにそれがメディアで度々取り上げられるとか、食べログでとても高い評価を得ているとか、ミシュランの星がつくとか、そういったプラスアルファが必要です。

 

 新店舗を出店するときは夢を抱きつつ、一方でシビアに採算性を検討していきましょう。

 

 さて、新規出店をしたヨシコ・キッチン、これからどうなっていくのでしょうか。次回は2月20日頃アップ予定!

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