店舗別損益計算 ~共通費、本社費の取り扱いは?~

店舗別損益計算 ~共通費、本社費の取り扱いは?~

2015/07/17

先月は友達の公認会計士にいろいろと厳しいことを言われたヨシコ社長。

反省したヨシコ社長、今月はヨシコ・キッチンの「店舗別 営業成績レポート」を眺めています。

 

 

共通費、本社費ってなに?

 今まであまりきちんと見てこなかった「店舗別 営業成績レポート」。改めて見てみるとよく分からない点が出てきました。

 

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 「店舗別 営業成績レポート」の下から2行目に「本社費 配賦」という項目があります。この本社費というのは、各店舗に直接的には関係のない経費のことです。例えば、社長の給料、本社として別の事務所を借りているときにはその賃借料、税理士への報酬などは、特定の店舗と直接関係のない経費ですよね。これらの経費を総称して、「本社費」と呼びます。

 

 また、それ以外に「共通費」と呼ばれるものもあります。共通費は、各店舗で使用するものなのだけれど、本社等で一括して購入しているものです。例えば、ゴミ袋とか、調理用手袋などは、本社等で一括して購入し、各店舗に配布することがあります。このような経費を「共通費」と呼びます。

 

 この「本社費」や「共通費」の管理も、飲食店経営ではとても大切な項目です。特に「本社費」は、知らない間に多額になっていることがあるので注意しましょう。 

 

 

共通費、本社費は配賦しなければならないの?

 

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 「共通費(ゴミ袋等)」は、直接的な関係が分かりにくいとはいえ、各店舗で使用しているので、その経費を各店舗に配賦するのは納得ができます。でも、「本社費」は各店舗との関係がとても薄いですよね。なのに各店舗に配賦するのはなぜでしょうか。

 

 それは、各店舗で稼ぎ出す利益で、「共通費」と「本社費」をまかなわなければならないからです。

 

 各店舗が黒字というだけでは、会社全体は黒字になりません。会社運営には、プラスアルファの経費がいろいろかかるからです。ですから、その会社運営に必要な経費を「共通費」「本社費」として、各店舗に負担させる必要があるのです。「共通費」「本社費」を負担しても黒字であって初めて、優良な会社であると言えます。

 

 ちなみに、各店舗に「共通費」「本社費」を配賦する際、どのようにして配賦すればよいのでしょうか。いろいろな考え方がありますが、「売上高」を基準に配賦するのがよいでしょう。売上高の多い店舗ほど、負担する能力があるはずですし、なによりカンタンです。

 

 なお、各店舗に配賦する「共通費」「本社費」は実績額である必要はなく、年間で固定で○○万円/月のように設定しても良いでしょう。

 

 次回は「番外編~共同経営、フランチャイズのお誘いが来た~」です。

 前々回、新規出店することを見送ったヨシコ社長ですが、今度は共同経営で新規出店のお誘いが。共同経営なら、出店しても大丈夫なのでしょうか?

 8月20日アップ予定。

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